校長挨拶

平成二十九年度

入学式 式辞



 温かい春のよき日に、伊賀白鳳高等学校第9回入学式を挙行しましたところ、PTA会長様をはじめとするご来賓の皆様には、ご多忙の中ご臨席を賜り、本当にありがとうございます。心より御礼申し上げます。
 また、先ほど入学を許可しました280名の新入生の皆さん、そして保護者の皆様に、職員を代表して、あらためてお祝いを申し上げますとともに、心から歓迎いたします。

 さて、ご存知のとおり本校は、工業、農業、商業、福祉といった非常に幅広い分野の学科を有し、入学後に全ての分野を体験した上で自らの進むコースを決定するという、全国的にも他に類を見ない専門高校です。また、伊賀地区で唯一の専門高校として、前身である上野工業高校、上野商業高校、上野農業高校の卒業生も含め、皆さんの先輩は、伊賀地域はもとより広く国内外で活躍をされており、地域の方々の本校に寄せる期待には非常に大きいものがあります。とりわけ、最近では、少子高齢化による地域産業の担い手不足が懸念されており、本校への期待はますます大きくなってきています。また、最近では、白鳳カフェの開催や高校駅伝をはじめとするクラブ活動においても、地域からの期待が大きくなっています。

 そのような伊賀白鳳高校への入学にあたり、新入生の皆さんには、まず、本校の校訓「賢く」「優しく」「逞しく」を送りたいと思います。
 「賢く」とは自ら主体的に学び、判断し、行動する力を身につけることです。高校生の皆さんはもう立派な大人として扱われます。ですから自分のことは自分の考えで判断し、その結果に対して責任を負えるようにしていかなくてはなりません。うまくいかないことを他人のせいにしたり、できない理由を並べるのではなく、どうしたら解決できるのかを考えられる、積極的な姿勢が大切だと思います。
 次に、「優しく」とは、思いやりの心と規範意識を持ち、社会に貢献できる人間になるということです。挨拶やマナーを大切にすれば、よい印象を与えることができます。社会に貢献することで、信頼を得ることができます。私は、そのような行動が、幸せな人生となって自分に返ってくると考えています。
 最後に、「逞しく」とは、専門的知識・技術を身につけ、それらを元に未来を切り開いていく力を持つことです。経済のグローバル化とともに、非常に速いスピードで技術革新が進む今に日本においては、このような力が益々重要になってくるのではないでしょうか。

 そしてもう一つ、卒業後の進路をしっかりと見据えた高校生活を送ってほしいということです。言い換えれば、目標を持って高校生活を送って欲しいということです。これからの三年間の間には、その充実度において、人によって大きな差が出てしまうという現実があります。その差は、確かな目標をもって高校生活に取り組んだかどうかによって、ついてしまうと思います。
 「立志は万事の根源」という言葉があります。立志とは志を立てること、言い換えれば目標を定めて、それを成し遂げようと志すことです。目標を持つことは生活を充実させる基盤であり、生きていく上で夢を持つことは、意欲や向上心をかき立てるものです。一年の時から明確な目標を持ち、卒業後の進路をしっかりと見据えた計画的な日々を送って下さい。

 なお、最後になりましたが、保護者の皆さまに一言お願いを申し上げます。
 私たちは本日からお子様をお預かりし、3年後には大きく成長した姿で、卒業生として送り出したいと考えておりますが、教育は学校だけでできるものではございません。ご家庭でしかできないこともあり、お子様の成長には、学校と家庭が互いに連携し、協力していくことが不可欠です。ご家庭におかれましても、お子様が健康で規則正しい生活を送れるようサポートしていただきますとともに、もしもご心配なことがあれば、遠慮なく担任までご連絡いただきますよう、お願い申し上げます。
 本日入学された生徒の皆さん全員が、3年の間に、社会に貢献できる力を身につけるとともに、人間的にも大きく成長されることを祈念し、式辞といたします。 




三重県立伊賀白鳳高等学校
学校長 村田 武俊